初 めての海外サイクリングにヨーロッパを選んだサイクリストの為に

Last update  Jun.18, 2003

とにかく景色はすばらしい!
1996年7月から8月にかけてフランスのパリからポーランドのワルシャワまで鉄道なども利用しながらサイクリングしました。
そのときの経験が、これからサイクリングに向う人たちに役立てばと思い、このページを作成します。
このサイクリングは私にとって初めての海外旅行でもありました。このホームページにある事は、海外サイクリングの達人達にとっては、あたりまえの事ばかり だと思いますが、初めて海外サイクリングをされる方で、特にフランス、ベルギー、ドイツ、ポーランドを旅される方には参考になると思います。なかでもポー ランドは一番長かったので参考になると思います。私自身は出発前にどの様な手段でサイクリングのための情報を集めて良いかわからず、とにかくお金だけ持っ て出かけてみたような次第でした。
このサイクリングは全体の約2/3をテント泊しています。また、行程のほとんどを舗装路を走行しています。
松井 博志


使用した自転車
列車への自転車の持ち込み
自転車を飛行機に載せる際の追加料金?
現地で見た他のサイクリストについて
気候(必要な服装、シュラフ等)
自炊に関して
自炊具(ストーブ/コンロ)
テント泊及びキャンプ場について
ポーランドはレストランが村に一軒あればラッキー、しかし.....
ハンディーGPS
トイレのチャンス
失敗談


使用した自転車

自転車を買った店 結果としてはGIANTの安いレーサーにキャリアをつけて使ったが、レーサーと言うのは意外と良かった。
日頃はランドナーを使用していたので、パリでランドナーかキャンピングを買うつもりだった。せっかくフランスで買うのだからと、10万〜20万円くらいの 予算で、ちょっと良い自転車を買って持って帰ってきて大事にしようと思っていたのだが、フランスも日本同様マウンテンバイクとMTBが自転車店の殆どのス ペースを占めていて、残りはレーサーだった。荷物を積んで、さあ出発! (自転車屋の前で)
最初PUGEOTの本店を探し当て、そこで買おうと思っていたのだが、上のような理由で断念。PUGEOTの店で紹介された別の店に行ってみたが、そこで もランドナーやキャンパーは無く、その日のうちにでも出発したい自分は、結局レーサにキャリアを付けてもらったが、それならPUGEOTのちょっと良い レーサーにしといた方が良かったと、今でも後悔している。
しかし初めて乗ったレーサーはすこぶる快適。スピードも出るし、ブレーキも良く効く(ランドナーに比べて)。また意外な事に石畳に強かった。空気圧が高い ので石畳や段差の角にタイヤをぶつけても、物の角とリムにチューブがはさまれておこる、あのパンクにならない。予備のチューブも買ったが、結局1ヶ月間一 度もパンクしなかった。レーサーが駄目なのは砂地。砂地は恐ろしくハンドルを取られまったく駄目。でも延々と続く砂地を走ったのは(というか押したのは) バルト海沿いの1日だけなので、良かった点に比べればたいした問題ではなかった。

出 発地をパリにしたのも、”ツール・ド・ルランス”というものがあるくらいだから、フランスでは多くの人が楽しみ として自転車を利用していて、パリなら大きな店も一杯あり、いろいろ選べる と思っていたからだが、これが大間違い。パリでは自転車に乗ってる人はほとんど見かけない。自転車店も少ないし大型店は見かけなかった。PUGEOTの本 店も何処にでもある町の自転車屋さん程度の大きさだった。また、パリの道は車の運転が荒く、自転車で走るには危なすぎる。その後行った、ベルギーやドイツ の方が、はるかに自転車がよく利用されており、快適に走れた。


列車への自転車の持ち込み
現地に行くまで本当かどうかわからなかったが、特急電車を除いて殆どの列車に、自転車をバラす事無く、荷物満載のま ま積み込め た。これは本当に便利。場所によっては都会に入ってくると車が危なかったりしたが、そういう時は電車(汽車)に載せて、その町を一気に通り越したり出来た (都会は景色も良くないので、あまり興味も無かった)。ローカル線なら自転車や多分農機具用の専用車両が後ろの方に付いていたりした。ドイツでは通勤快速 のようなもの(もちろん自 転車専用車両は無い)にも愛車を引きづり込んでみたが車掌さんにも咎められなかったので、本当のところは良くわからないが、駄目なわけではなさそうだっ た。(この時は街中で道に迷い、走れば走る程わからなくなってしまい、駅を見つけたので手っ取り早く電車で近くの大きな駅まで行く事にした。)
ただし田舎の駅はホームが低いので自転車を列車に載せるのは一苦労。



自転車を飛行機に載せる際の追加料金?

これは非常に気になっていた。何故なら飛行機の運賃は格安切符でも、手荷物の重量オーバーによる追加料金は正規運賃 を基準に算出 されるので非常に高い為。帰国前日、道に迷って飛行機に乗り遅れたりしないようにと、飛行場まで行ってみた。行ってみると自分の利用するKLMのオフィス があったので聞いてみたら...。
「多分手荷物が○○Kgで、チケットがコレだけど追加料金は必要ですか?」
「..(しばらくチケットを眺めて)...必要です。」
「...なんとかなりませんか?」
「...駄目です。」
次の日、追加料金は仕方なし...とおもってチェックインしに行くと、カウンターに立っていたのは昨日と同じお姉さんだったが、何も言われず、追加料金は 無かった。重量はしっかりオーバーしていたし、私の服装は前日と同じだったので気づいたような雰囲気だったが...。たてまえと実際の業務はちがうよう だ。



現地で見た他のサイクリストについて

フランス
他のサイクリストはあまり見かけなかった。

ベルギー
高そうなレーサーが多かった。みんなかっこ良い。自転車での旅行者はあまり見なかったがこれは自分の滞在期間が短かった事もあると思う。

ドイツ
ドイツもレーサーが良く走っていた。道も自転車専用道が非常に良く整備されていて、私の知る限り一番自転車環境の良い国だと思う。マウンテンバイクでの キャンパーも結構見た。

ポーランド一見地元のおじさんだが学校の先生でサイクリング中、旅程1ヶ月だそうです。このおじさん何故かパンツを二枚重ねではいていました。
きれいな自転車に乗っているのは殆ど外国人。きれいな自転車で旅行しているのは間違いなく外国人だった。サイクリストは多くはないが時々見かけた。
 
 
 
 
 
 
 
 

どうでもいいような感想を書いてみましたが、その国の雰囲気が伝われば良いかなぁと。
付け加えれば、私のようなソロのサイクリストとは殆ど会わなかった。



7月〜8月の気候(必要な服装、シュラフ等)

フランスにて 服 装: 思っ ていたよりだいぶ寒かった。特に夜は寒いので、バルト海沿いなんかを走るなら、冬用のジャンパーは必要だと思います。セーターは持っていきませんでした が、欲しいと思った事もありませんでした。Tシャツに長袖のシャツ、それと冬用の山屋さんで売っているようなゴアテックスのジャンパー。 ゴアテックス・ジャンパーを雨ガッパとしても使用することにして雨具は雨ガッパのズボンだけを持って行き、傘も無しとした。コレで何処でもOKでした。

シュラフ: 自 分はコンパクトな夏用の羽毛シュラフを持っていったのですが、寒くて寝られませんでした。最初寒い日はジャンパーを着て寝ればいいと考えていたのですが、 1 泊目のフランスの時点でジャンパーを着ていても寒くて夜何度も目が覚める始末だった。結局ポーランドに入った直後にシュラフを買う羽目になってしまいまし た。最低日本の3シーズン用以上の防寒力が必要だと思います。冬用のものでも良いと思います。

マット: マッ トは愛用のサーマレス・ウルトラライトの半身用に普段使っている通り、”座椅子化オプション(とでもいうのか?)& rdquo;を付けて持っていった。半身用なので長 さは腰までしかありません。地面から”冷たさ”が伝わってくるのは体重のかかる部分なので、これでさほど問題な い。とはいっても若干かかとが冷たいので、 かかと部分には空になったキャンプ道具用サイドバック、その上にジャンパーを敷いて寝ていました。また座椅子化オプションはすごく快適でどこでも極楽気分 です。冷たい風がビュービュー吹いていても背もたれを風上に持ってくれば寒くないし前に焚き火でもあればホカホカです。私はこれを王様の椅子と呼んでいま す。若干の問題点としては、この座椅子化オプションを付けたまま寝る時、マット自体には滑りにくい表面加工がしてあるのに、この座椅子化オプションにはそ れが施されていない為、シュラフが滑りやすくて落ち着かない点です。



自炊に関して

うまそう! 「米」だの「うどんスープの素」だの持っていったが必要なかった。サイクリングはお腹が減るので何を食べても美味しい。米を持っ ていったのは重たいだけだった。でも人によると思います。
あまり自炊といえるほど凝った物は作らなかったが、ソーセージは美味しかった。コッフェルで炒めて食べたらすごく美味しい。最初焚き火で焼いてたら警察が 飛んできて、「焚き火は駄目」と(多分そう言ってたのだと思う)、強く言われた。でも焚き火で炙ったやつが一番美味しかった.....。



自炊具(ストーブ/コンロ)

これは楽しい話題。こういう道具は好きな人は好きなもので、議論しだすとキリが無い。普段使っていたものはホワイト ガソリン用の もの(Svea123R)だったので、レギュラーガソリンでも使えるオプティマス・エクスプローラー(エキスプローラー?)を買って持っていった。結論か ら言えば同じバーナーヘッドを持っている箱型のやつがあったと思うのだが、そちらにしとけばよかったかな...と思っています。分離型が流行っていたので あまり考えずに選んだのですが、分離型は毎日、組立/解体をしなくてはならず面倒。また、タンクと本体を切り離すたびに燃料が漏れて臭いし、最初は日本か ら持っていった貴重なホワイトガソリンが入っていたのでもったいなく感じた。このあたりは人によって感じ方は違うかも知れないが、Sveaのように蓋を空 ければすぐに使えて、使い終わったら少々本体が熱いままでも蓋をして袋に入れれば、ハイ終わり。と言う訳にはいかないのも事実。
さらにこのエクスプローラ、燃料がポンプ内に逆流しポンプ内のオイルをガソリンが洗浄してしまうようで、ポンピングしようとしても、ポンプのOリングがシ リンダー内を滑らず、かたくてポンピング出来なくなってしまうのです。コレは結構困りました。自転車のチェーン・オイルでもあれば解決するのですが、自分 は何でも必要なものは都度現地調達する事にしていたのでチェーン・オイルも持っていなかった。小さな容器にサラダ油くらい持っていても悪くなかったかも。
これだけだとオプティマス・エクスプローラーを気に入っていないようになってしまうのですが、実は結構気に入っています。レギュラーガソリンで使い続けま したが、まったく問題は感じませんでした。レギュラーで使用可となっているものでも、レギュラーで使いつづけているとだんだん調子が悪くなってくるものも あるようだが、そのような事もなかった。また、燃焼音も静かな上、火力調整も極とろ火まで自由自在です。欲を言えばもう少し質感が良ければなー、と言った ところです。(Sveaのような美しさがあればもっと愛せるのだが...)
実はこのオプティマス・エクスプローラーを買う前に、シグ・ファイヤージェットを買ったのですが、まったく火力調整が出来ず、「これじゃ御飯が炊けない じゃないか!」と憤慨し、すぐ友人に格安で売ってしまいました。
※ 話し出すときりがないのでストーブに関してはこちらで。



テント泊及びキャンプ場について

テント泊は安全面を考えるとキャンプ場にしたい。たいていのキャンプ場ならシャワーが使えるのがうれしい。

フランス
キャンプ場は一度も見なかった。
ベルギー
キャンプ場はあるのだがキャンピングカーの量が非常に多く、過密度も高い。従ってにぎやか。ほとんど利用する気にならなかった。

ドイツ
(ベルギーに同じ)

ポーランド

キャンプ場はたくさんある。静かで雰囲気の良いキャンプ場が多く、天国のよう。ただし夏のバルト海沿いは駄目。海水浴客が非常に多く、このあたりの事情は 日本の夏の海と同じ。バルト海沿いのキャンプ場は超過密でやかましい。
ポーランドは湖が多いので、湖のそばや、ゆったりと流れる川のそばのキャンプ場なら、静かでのんびり出来て幸せだった。コレだけは日本国内のサイクリング では味わえない環境。
やっとバルト海まで出た 快適だったワルシャワ



ポーランドはレストランが村に一軒あればラッキー、しかし.....

電柱の上にでっかい鳥の巣が... 思わずパチリ 道を教えてもらった
昼食は外食していたのだが、ポーランドではレストランが非常に少なかった。でもレストランがある場合道路標識に出ているのですぐわかる(確かフォークとナ イフの標識)。物価が安いので相当食べても(肉料理+スープ+パン+ビール)1000円+α程度。フランス/ベルギー/ドイツでは、 節約節約で来ていたの でうれしかった。レストランは村に一軒あるかないかなので、田舎を走ってれば、日に一軒あるかないかになってしまう。それで自分は、レストランがあれば腹 が減ってなくても必ず入るようにしていました。



ハンディーGPS

無くてもべつに困らない。地図とコンパスで十分。でも、ハンディーGPSを持っていれば、”お もちゃ”として楽しい。毎日の宿泊地を記憶させていくのもちょっと楽しい。
トイレのチャンスについて
ガイドブックを見れば分かる通り、公衆便所はほ全て有料だと考えて間違いない。静かな、ほとんど人のいない、広い広 い公園の片隅 にある苔むしたトイレでも、やっぱりトイレおじさん/おばさんがいて、お金を取られてしまう。べつにたいした額じゃないのだが、それまで用足しにお金を 払った事が無いので、なんとか払わずに済ませたいと考えてしまう。「大」なら、その緊急性や、”もしトイレが何処にも無かったら ”という状況を想像すれ ば、まだ納得できる。しかし「小」にお金を取られるのはちょっと我慢できない。
そこで...
都会では:世界中何処にでもあり、同じサービスを提供するマクドナルドを利用。コレ絶対お勧め。日本のマクドと同じ様に、ハンバーガーを買わなくても気兼 ねなくトイレに入れるような店のレイアウトになっている。もちろん無料。従ってまったく便意/尿意が無くても、マクドを発見したら必ずトイレに行くように していた。もちろん何回かはハンバーガーを買った事を言い訳しておきます。その他にも美術館や博物館などの有料施設に入った時はトイレをチェックし、無料 であれば必ず利用していました。
田舎では:田舎道は人家が無くなればもちろん野グソです。これ最高。草の匂いのするそよ風に吹かれて気持ちいい。延々と人家は無いけど 両サイドは麦畑という所を良く走ったが、必ず道沿いに木が植えられており、いつでもその木に自転車を立てかけ、木の裏にまわって気持ちよく目的を達する事 が出来た。キャンプ場や公衆便所にあまり清潔感が無かった事もあり、延々と自分の軌跡をマーキングしていく事になった。
※シャンゼリゼ通りにも野グソをしてしまった事を白状しておきます。こめんなさい、緊急事態でした。
失敗談
ビザ(このサイクリングを通した中で一番あせった)
い よいよ帰国日となり、朝6時にワルシャワのキャンプ場を出発しワルシャワ空港へ。自転車をばらし、荷物も預け、いざ搭乗と言う段で、パスポートチェック。 「おかしい...他の人に比べ時間が長すぎる...」 どうやら係りの人が別の人を読んだようだ。そこへ将校のような軍服を着た人が現れ、私はその人に引き渡された。「ん〜〜〜...よくわからないけど、あま りいい状況とはいえないようだ」 連れて行かれたのは真っ暗な部屋。明かりは、座らされた机の上にある電球1個だけ。部屋には別の将校服が居たようで合わせて二人になった。少し離れたとこ ろで、二人が小さな声で話しているようだが暗くて顔も殆ど見えない。しかし机の上には電球があるので、向うからはこちらの細かな表情までよく見えているよ うだ...。まずい、ひじょお〜〜に、まずい。ここは、どお見ても取調室。しかも相手は警察ではなく軍人のようだ。でも心当たりがない。しばらく話してい た二人のうちの一人が私のところに来た。私の目をじっと見ているが何も話そうとしない。たまらず私は「いったいなにが問題なんだ」と聞いてみた。やっと口 を開いた相手が言うには、どうやらビザの滞在期限(20日間)を越えてしまっていると言う事のようだ。やっと状況がわかりホっとしたが、すっかりビザに滞 在期限があることを忘れていた。そういえばビザを申請したときに何か書いたような...。その後少し問答があった末、超過期間を事後申請し、手数料(数千 円程度)を払うことで決着がついた。
カニ缶
フランス:牧草地の窪地でテント泊何を食べようかとスーパーを物色して回るのは楽しかった。買っ た食べ物で一番失敗したのはカニ缶。買ったのはフランスの、たしかマンモスとか言う名の でっかいスーパー。色々物色しているとカニ缶らしきものを見つけたのだが二種類ある。どう見ても内容は同じ様なのだが値段はかなり違う。はっきり覚えてい ないが三倍以上違ったと思う。フランス語が読めないのでなんて書いてあるのかはわからないけど、メーカーも一緒で、ラベルの絵柄もまったく一緒。大きさも もちろん一緒。何度みても違いがわからない。良くわからないので安い方を買う事にした。その日は良いキャンプ地が見つからず、夜十時くらいまで走りつづけ (このくらいまで明るい)、腹ぺこで牧草地の中の窪地にテントを張った。それから嬉々としてカニ雑炊を作った。久しぶりの醤油の香りがうれしく自然と顔が ほころぶ。「どれどれ」と言いながら一口食べる.....「うへっ」なんと、カニの殻ごとつぶしてある缶詰だった。という事は高い方は身だけの缶 詰.....なるほど。
次の日の朝は、早くに牛に起こされた.....ちょっと怖かった。


Hiroshi Matsui


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